更年期障害とは

更年期障害とは

更年期障害とは
更年期障害とは、簡潔に言えば、「更年期に現れる各種症状」です。

また、年齢と症状から更年期障害を定義すると、 「40代以降に見られるほてりや寝汗、膣の乾燥などの症状」ということができます。
また、原因から更年期障害を定義すると、 「エストロゲンの分泌減少によって現れる各種症状」ということができます。

以下、更年期障害について、基本的な内容を紹介しています。
更年期障害の具体的な症状や治療法については、 メニューをご参照下さい。

更年期障害とは
更年期
(閉経を挟んだ前後の期間を示す)
閉経前 閉経期 閉経後
概要 35歳頃からエストロゲンの分泌低下により、 様々な症状が現れる時期・状態
(ただし、分泌低下の影響が現れるのは45歳以降が多い。)
最後の月経から1年以上経過した時期・状態
月経 月経が不規則になる。 無月経
妊娠
(排卵)
可能
(ただし、受精率は徐々に減少し、無排卵月経も多くなる)
判断できない
(閉経は事後でしか判断できないため)
不可
エストロゲン 徐々に減少
(特に閉経1~2年前は加速度的に減少)
著しく減少
平均年令 45~50歳 50歳 51~55歳
更年期の通算期間(平均) 更年期(閉経前、閉経期、閉経後)の通算期間は発表している団体により異なる

・4~8年(北米閉経学会)
・6~10年(バンクーバーCeMCOR)
・日本は2~10年と定義する場合が多い
(※日本政府機関の発表はなく、医療機関の発表による)
更年期障害の発症 更年期であっても、必ず更年期障害の症状が出るとは限らない。
更年期障害を発症するかは、個人に大きく依存する。

更年期障害と更年期

更年期とは、閉経を挟んだ前後の期間(閉経前、閉経期、閉経後)を示し、 その期間に現れる特有の症状を「更年期障害(更年期の障害)」と言います。
「更年期症状」と言わず、「更年期障害」というのは、症状によって生活や仕事などに支障をきたす「障害」であるためです。

そのため、45歳前後の閉経前を指して更年期という場合や、 50歳以降の閉経後を更年期という場合もあるものの、 より詳細に更年期を説明する場合、閉経を中心に、前後3つの期間に分類されます。

閉経前

エストロゲンは30代半ば以降じょじょに分泌量が低下しますが、 この影響が出始めるのは45歳頃からです。
このエストロゲンの低下による更年期障害の症状が出る期間を 「閉経前」と表現する場合が多くなっています。 そして、この「閉経前」に現れる最大の症状は「月経不順」です。

閉経前の月経不順の特徴
  • 月経周期の乱れ(長くなる、短くなる)
  • 出血量の変化(多くなる、少なくなる)
  • 期間の乱れ(長くなる、短くなる)
  • 月経前症候群の悪化(痛み、けいれん)
  • 血液の凝固

また、エストロゲンの分泌量は閉経1~2年前に特に急激に減少するため、 「ほてり」、「寝汗」、「イライラ」といった更年期障害の各種症状が現れ始めます。

閉経期

閉経期とは、閉経しているかどうかが分からない時期です。
長く月経がないため、「閉経した」と思い込んでいても、突然月経が始まることがあります。 反対に、先月まで順調に月経があったにも関わらず、その後1年間無月経になることもあります。

閉経期は、エストロゲンの分泌量のさらなる低下により、 「ほてり」「寝汗」「イライラ」などの更年期障害の症状がより顕著に現れます。 また、排卵がある可能性があるため、妊娠する可能性もあります。

閉経後

閉経後とは、最後の月経があってから1年経過した時点以降を指します。
これは閉経の定義が「最後の月経があってから1年が経過した状態」であるためです。

発表する団体によっては、閉経してから更年期の症状(更年期障害)が出ている期間を閉経後という場合や、 更年期の症状が出ていない場合でも、寿命までを閉経後という場合もあります。

この時期の更年期障害は、それまでの更年期障害の症状に加えて、 「膣の乾燥」や「骨粗しょう症」など「エストロゲンの低下による合併症」が顕著になります。
年齢と更年期障害の関係については、更年期障害を発症する年齢をご参照下さい。

更年期障害はゆっくりと進む

更年期障害の原因となるエストロゲンの分泌は、 外科手術や薬などの場合を除いて、 ある日を境に急激に減少するわけではありません。

エストロゲンは30代半ば以降、加齢により分泌量がじょじょに減少していきます。
そのため、更年期障害の症状も、ゆるやかに進むことが多くなっています。

なぜエストロゲンの分泌低下が更年期障害となるのか

女性ホルモン エストロゲンは、代謝の向上、膣の潤滑、骨の形成、タンパク質の合成など、 おおよそ300の役割があるとされています。

そのため、エストロゲンの分泌量が低下することは、 それまで正常に機能していたそれら役割を果たせなくなることを意味し、 その影響が更年期障害として現れます。

なぜエストロゲンが低下するのか

エストロゲンはそのほとんどが卵巣で作られます(その他副腎、脂肪などで作られます)。

しかし、卵巣は加齢により機能が徐々に低下し、 閉経後には卵子の生成だけでなく、女性ホルモンの生成などを含め、その機能を停止してしまいます。

言い換えると、卵巣が元気である限り、エストロゲンの分泌量に大きな変化ありません。


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