更年期障害チェック方法

更年期障害チェック方法とは

更年期障害チェック方法
更年期障害かどうか、正確にチェックできる方法はありません。

しかし、 更年期には体から出るいくつかのサインがあり、 この体からのサインと年齢、症状を発する他の病気の存在などを加味し、 総合的に判断することで、より正確に更年期障害かどうかを判断することができます。

ここでは、更年期障害かどうかのチェック方法について、いくつかの方法を紹介しています。

また、 閉経かどうかを確認するには、閉経か確認する方法を、 40歳以下の若年性更年期障害については、若年性更年期障害 をご参照下さい。

更年期障害かどうかのチェック方法

更年期障害かどうかをチェックするには、以下の内容から総合的に判断する必要があります。

  • 年齢
  • 基礎体温
  • 膣内PHバランス
  • 卵胞刺激ホルモンのチェック
  • 自覚症状(クッパーマン指数)
  • 更年期障害と同様の症状が出る他の病気を調べる
  • 甲状腺疾患について調べる

年齢

年齢は更年期を測る最も重要な指標です。
若年性更年期障害を除いた大部分の人(90~96%)が自然閉経を経験します。

自然閉経の平均年齢は50~51歳ですから、その前後5年間、つまり年齢が45~55歳であれば、 それら症状が更年期障害である確率が高まります。

また、更年期障害の各種症状は、月経異常から始まり、 ほてり、尿路症状など、年齢によって発現しやすい症状が異なります。
更年期障害の年齢や症状については、更年期障害を発症する年齢をご参照下さい。

基礎体温

更年期障害チェック方法 基礎体温
更年期前の女性では通常、基礎体温は月経周期の前半は低め、後半は高めです。
一方、更年期になると、この基礎体温に変化がみられるようになります。

理由は、月経があったとしても排卵のない「無排卵性月経」である回数が多くなるためです。

基礎体温の上昇は、排卵に伴う症状であるため、排卵のない無排卵月経では基礎体温が上昇しません。
稀に、「生理があるからまだ大丈夫」という方もいるものの、生理があっても必ずしも排卵があるとは限りません。 「生理があっても排卵がない」場合もあるのが更年期です。
この排卵回数は閉経が近づくにつれて減少し、少ない人では、月経10回に1~2回程度しか排卵が行われなくなり、 閉経により月経と排卵の両方がなくなります。

そのため、月経があったとしても、「基礎体温の高温期が来ない」、あるいは、「基礎体温の高温期が来てもすぐに終わってしまう」という場合は、 更年期である確率が高くなります。

膣内PHバランス

更年期前の膣内PHバランスは、妊娠期、月経期、排卵期など、不安定な時期を除いて、概ね4.4±0.4です。

しかし、更年期に入り、エストロゲンの分泌が低下すると、 膣のPHバランスは中性に偏っていき、閉経後には、PH7.0(中性)に限りなく近づいていきます。

膣内PHバランス
年齢 膣内PH
更年期前 20~38歳
(平均30.9歳)
4.4±0.6
更年期(※閉経前) 42~53歳
(平均47.5歳)
5.2±0.5
閉経後 45~62歳 5.4±2.0

この膣内PHバランスは、 更年期あるいは更年期障害の兆候が現れる状態を判断するのに役立つだけでなく、 更年期障害の尿路症状の進行を意味します。

膣内は酸性に保たれることで様々な菌の増殖を防ぐ効果がありますが、 膣内が中性に傾き、膣内が乾燥すると、多くの菌が増殖しやすい環境を作ってしまいます。

エストラジオール(E2)と卵胞刺激ホルモン(FSH)チェック

エストラジオール(E2)

エストラジオール(E2)と卵胞刺激ホルモン(FSH)の値をチェックすることで、更年期や閉経を調べることができます。
エストラジオール(E2)はエストロゲンの最も主要な成分で他の成分(E1やE3)よりも強い生理活性があります。

更年期あるいは更年期障害の症状は、エストロゲンの低下が原因であるため、 このエストラジオール(E2)の血中濃度を測定することで、更年期(閉経前)や閉経の可能性を調べることができます。
このエストラジオールの血中濃度が概ね20pg/mL以下(文献によっては10pg/mL以下)の場合、更年期や閉経とみなされます。

ただし、このエストラジオール(E2)の値も個人差があるため、 エストラジオール(E2)の値が20pg/mL以下であっても、必ずしも更年期や閉経を意味するわけではありません。

E2(pg/mL)
閉経前 卵胞期 前期 11~70
後期 25~350
排卵期 70~240
黄体期 70~160
閉経後 10以下
更年期以外でエストロゲンの値が低い原因
卵胞期はエストラジオールの値は比較的低い以外に、生活習慣もエストロゲンの血中濃度に影響を及ぼします。 特に以下のような生活習慣・体調はエストロゲンを大幅に低下させる要因となります。
最近では、低体重や低脂肪による「体重減少性無月経」が国際的に社会問題となっています。

エストロゲンの値が低い要因(更年期以外)
  • 過度のダイエット
  • 痩せすぎ、低すぎる体脂肪
  • ストレス
  • 過度の運動
  • 下垂体の病気、機能低下
  • 甲状腺の病気
  • 不妊治療薬の影響
  • 切迫流産

卵胞刺激ホルモン(FSH)

また、卵胞刺激ホルモン(FSH)は、卵胞を大きくし、 エストロゲンの分泌を促すホルモンです。

この卵胞刺激ホルモン(FSH)が常に30mIU/mL 以上を示す場合、更年期、閉経の可能性が高くなります。
FSH(mIU/mL)
閉経前 卵胞期 3~14
排卵期 3.2~21
黄体期 1.5~8.4
閉経後 26~134
更年期以外で卵胞刺激ホルモン(FSH)が高い原因
卵胞刺激ホルモン(FSH)は視床下部、下垂体を通じて分泌されるため、 更年期以外で卵胞刺激ホルモン(FSH)が高い場合、以下の病気が想定されます。

更年期以外で卵胞刺激ホルモン(FSH)が高い原因
  • 下垂体腫瘍
  • 早発卵巣不全(POF)
  • 卵巣予備能低下(POA)
  • 性腺発育不全
  • スワイヤー症候群
  • ターナー症候群
  • 先天性副腎皮質過形成
  • クラインフェルター症候群
  • 全身性エリテマトーデス(狼瘡)

自覚症状による更年期障害のチェック(クッパーマン指数)

更年期障害のチェックに古くから利用されていたのが、 クッパーマン指数です。
11の更年期障害の症状に加重点を設け、その点数によって更年期障害かどうかの判断や、 更年期障害の重症度を測ることを目的としています。

また、更年期障害の各症状ごとに考えられる原因については、 メニューより、更年期障害の各症状をご参照下さい。

1.顔がほてり汗をかきやすい 強い 弱い なし
2.手足がしびれ、間隔が鈍くなる 強い 弱い なし
3.寝つけず、目を覚ましやすい 強い 弱い なし
4.興奮しやすく、神経質になった 強い 弱い なし
5.くよくよし、ゆううつになる 強い 弱い なし
6.めまいや吐き気がする 強い 弱い なし
7.疲れやすい 強い 弱い なし
8.肩や腰、手足の節々が痛い 強い 弱い なし
9.頭が痛い 強い 弱い なし
10.心臓が動悸する 強い 弱い なし
11.皮膚をアリが這う感じがする 強い 弱い なし
結果

甲状腺疾患について、調べる

更年期障害と最も同様の症状が出やすいのが、甲状腺疾患です。
特に女性の甲状腺疾患はおおよそ4人に1人と言われるほど、高い割合となっています。

甲状腺疾患や甲状腺疾患の症状、チェック方法については、 甲状腺機能低下症が疲労の原因をご参照下さい。


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