プロゲステロンを増やす方法とは
プロゲステロンを増やす方法は、病院でホルモン補充療法を受ける以外に、 特定の栄養素の摂取、体重調整、ストレスをなくすなど、 様々な方法があります。プロゲステロンを増やすことは、更年期障害の症状を緩和するだけでなく、 不妊の原因である黄体機能不全を治療したり、体脂肪の減少、血糖値の調整などの効果もあります。
ここでは、プロゲステロンを増やす方法について、紹介しています。
エストロゲンを増やす方法については、 エストロゲンを増やす方法をご参照下さい。
プロゲステロンを増やす方法一覧
■栄養素
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■生活習慣
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プロゲステロンを増やす栄養素
ビタミンB
ある研究において、月経前症候群(PMS)の症状が重い女性に対して、 毎日200~800mgのビタミンBを投与したところ、 血中エストロゲンを減少させ、プロゲステロンを増加させました。
また、アメリカのアマースト大学や病院などの共同研究によると、 ビタミンBの摂取量が少ない人は、ビタミンBの摂取量が高い人と比較して、 妊娠率が低く、早期流産の確率が高い、と発表しています。
妊娠や妊娠の維持にプロゲステロンが必要なことから、 ビタミンB、特にビタミンB6がプロゲステロンを増加させる作用があると考えれています。
ビタミンC
札幌医科大学で行われた妊娠に関わる実験によると、 ビタミンC750mgを投与したグループは、プロゲステロンレベルが大きく上昇し、 25%の患者がすぐに妊娠した、という結果が出ています。
また、山口大学などで行われた女性側の不妊原因の一つ黄体機能不全を調べる研究において、 ビタミンEを毎日600mg摂取したグループでは、黄体機能の改善とプロゲステロンレベルの上昇が確認されました。
ただし、高容量(1,000mg以上)のビタミンCは、 早期流産を誘発する可能性があることも指摘されているため、 高容量ビタミンC療法については、医師への相談が必要です。
Lアルギニン
山口大学で行われた研究によると、 Lアルギニンを毎日6g、14日間投与したところ、プロゲステロンが産出が増加していました。
Lアルギニンによるプロゲステロン増加の要因は、 L-アルギニンにより血流が促進されたことにより、黄体の機能が促進されたのでは、と考えられています。
セレン
つくば畜産研究所によると、妊娠していない牛の餌に、 セレンを補充したところ、血漿プロゲステロンの濃度が増加した、としています。ただしセレンは多くの日本人において、通常の食事での摂取により、 厚生労働省の推奨量である日本男性:24.2μg、日本女性:20.9μgを下回ることはほとんどないため、 あえてセレンを意識して摂取する必要はないかもしれません。
乳製品
牛乳、チーズなどの乳製品は、プロゲステロンを増加させます。サンアントニオ乳がんシンポジウム(SABCS)で発表された内容によると、 17名の男性ボランティアに、 スプーン2杯のバター、約56gのチーズ、高級アイスクリームを与え、 プロゲステロンのレベルを測ったところ、 ほぼ全ての被験者が30~100%、プロゲステロンレベルが増加しました。
また、プロゲステロンは脂肪に溶けやすいという性質があるため、 高脂肪製品においては、高濃度で供給され、 70~80%の乳製品において、175~300ng/mLのプロゲステロンが含まれていた、 と発表しています。
プロゲステロンを増やす生活習慣
適正体重
過食はプロゲステロンのレベルを下げてしまいます。メキシコの生殖医療研究所で行われた調査によると、 肥満体重は慢性無排卵につながる内分泌の異常につながる、としています。
18~35歳の30名の無排卵肥満患者が10.96%の減量(平均9.5±4.3kg)したところ、 26名86.6%が排卵を再開した、と発表しています。
特に血漿テストステロン、卵胞刺激ホルモン(LH)、エストラジオール、DHEA-Sが大幅に減少し、 プロゲステロンが大幅に増加しました。
ただし、痩せすぎはエストロゲンの減少による更年期障害を引き起こすため、 適正体重であることが重要になります。
体重とエストロゲンの関係については、 若年性更年期障害の原因と治療をご参照下さい。
ストレスを避ける
ストレスはプロゲステロンのレベルを下げてしまいます。ストレスによってコルチゾール(副腎から分泌されるストレス対応ホルモン)が上昇することは、 コルチゾールの前駆体(元となる物質)であるプロゲステロンが低下することを意味します。
オーストラリアのシドニー大学で行われた研究によると、 ラットに3日間ストレス(猫の毛)を与えたところ、プロゲステロンのレベルが有意に低下した、と発表しています。
ホルモン補充療法でプロゲステロンを増やす
病院のホルモン補充療法
日本ではプロゲステロン単独でのホルモン補充療法はないものの、 プロゲステロンとエストロゲン混合のホルモン補充療法があります。更年期障害のほか、不妊や若年性更年期障害などで処方してもらえます。
ホルモン補充療法については、 更年期のホルモン補充療法の効果と種類をご参照下さい。
経口避妊薬
経口避妊薬(ピル)は、プロゲステロン、エストロゲンを比較的簡単に補充できる方法です。オーソM21錠、トリキュラー錠、マーベロンなど様々な経口避妊薬(ピル)が販売されています。
エストロゲンおよびプロゲステロンを含むことから、 避妊以外に、更年期障害の症状改善、生理痛や月経前症候群(PMS)の症状を和らげるなどの効果があるものの、 初期には出血、乳房の圧痛、吐き気などの副作用があります。
ただし、エストロゲンやプロゲステロンに依存する病気(乳がんや子宮がんなど)の病歴がある人や、 血栓をともなう病気(脳梗塞、心筋梗塞、静脈血栓症など)、高血圧の人喫煙者、妊婦、授乳中の人は経口避妊薬(ピル)は非常に危険であるため、経口避妊薬の利用には、医師への相談が必要です。
市販のプロゲステロンクリーム
ある実験において、閉経した12人の女性が、1日200mgのプロゲステロンの経口摂取と、 40mgのプロゲステロンクリームを一日2回塗った場合を比較したところ、 プロゲステロン濃度に差はなかったとしています。
更年期障害のプロゲステロンクリームの効果については、 更年期障害にプロジェスト・クリームをご参照下さい。
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