閉経か確認する方法

閉経か確認する方法とは

閉経か確認する方法
閉経かどうか確認するには、一般的な閉経年齢である「50歳」を基準に、 基礎体温の変化や排卵チェック、更年期障害の発症など、ご自身でできるチェックのほか、 病院でのホルモン検査など、様々な方法があります。

閉経年齢は50~54歳が70.25%と最も多いものの、 他の年齢でも閉経する可能性があり、 40歳未満でも、1~5%程度、閉経する可能性があります。

ここでは、閉経かどうかを確認する方法、閉経に関する定義について、いくつか紹介しています。
また、40歳未満の閉経については、 若年性更年期障害の原因と治療をご参照下さい。

閉経の定義

閉経とは、月経が完全に停止した状態を示します。
この「完全に停止した状態」をほとんどの文献、医療機関では、 「最後の月経から1年を経過した時」としています。 そのため、「閉経とは、無月経の期間が1年経過した時点以降」と言い換えることができます。
この定義はほとんどの人に当てはまるものの、以下で説明するように、完全ではありません。
無月経期間と月経の再発確率
無月経の期間が1年以上あっても、稀に月経は再発します。
最後の月経から1年経過したことは、閉経した可能性が「非常に高い」だけで、 人によっては、1年以上(中には数年の人も存在)経過したのち、月経が再開し、 その後、数ヶ月~数年月経があった、とうい稀な例もあります。

無月経期間 月経再発確率
6ヶ月 22%
8ヶ月 9%
10ヶ月 3%
12ヶ月以上 ごくわずか
参考:サンピエトロ大学病院

閉経かどうか確認する方法

閉経かどうかを確認するには、年齢や無月経の期間など、 閉経前に現れるいくつかの症状から、総合的に判断する必要があります。

また、病院でホルモン検査や膣内PHバランスなどを測ることで、 閉経かどうか確認することもできますが、 この方法も完全ではありません。

閉経かどうか確認する方法
  • 閉経年齢
  • 無月経の期間
  • 基礎体温
  • 排卵検査
  • 更年期障害の有無
  • ホルモン検査
  • 膣内PHバランス
  • 血清AMH

閉経年齢

日本の閉経の平均年齢は50歳です。 平均のため、おおよそでしかないものの、 50歳前後なら、閉経が近いことを意味します。

閉経の年齢
年齢 人数 割合(%)
35-39 1人 0.83%
40-44 3 2.48%
45-49 22 18.18%
50-54 85 70.25%
55-60 10 8.26%
参考:2007年 神戸大学

無月経の期間

閉経とは「最後の月経から1年を経過した時」と定義されるように、 閉経が近づくにつれて、月経の周期が長くなります。

個人差はあるものの、急に来なくなったと思ったらそのまま閉経したり、 2~3ヶ月に一度が、半年に一度となり、じょじょに期間が長くなり、閉経を迎えることもあります。
ただし、更年期の最初の兆候が月経周期の乱れ(長くなる、短くなる)であるため、 必ずしもすぐに閉経につながるわけではありません。

基礎体温

閉経が近づくと、 基礎体温の高温期の期間が短くなったり、高温期そのものが欠如するようになります。
理由は、月経があったとしても排卵のない「無排卵性月経」である回数が多くなるためです。
基礎体温の上昇は、排卵に伴う症状であるため、排卵のない無排卵月経では基礎体温が上昇しなくなります。
ただし、この基礎体温の変化も個人差があるため、完全ではありません。

基礎体温と閉経、無月経については、 更年期障害チェック方法をご参照下さい。

排卵検査

閉経が近づくと、 月経があっても、無排卵月経の回数が多くなります。
閉経が近づくにつれて、月経10回に1~2回程度しか排卵が行われなくなり、 閉経により月経と排卵の両方がなくなります。

ご家庭ですぐにチェックできる排卵検査薬が、多数販売されており、 これら排卵検査薬で閉経がちかいかどうかを確認することができます。

更年期障害の有無

更年期障害の最初の兆候は「月経異常(周期の変化・出血量の変化など)」です。

この最初の兆候が出始める年齢が45歳頃で、 その後、ほてりやイライラ、うつ症状などを発症し、50歳ごろ閉経を迎えます。
言い換えると、「月経異常(周期の変化・出血量の変化など)」が現れるようになって5年、 ほてりやイライラなど更年期障害が現れるようになって数年で、閉経を迎える、ようになるため、 それら更年期障害の症状から閉経年齢をある程度推測することができます。

更年期障害の各種症状と年齢の関係については、 更年期障害を発症する年齢をご参照下さい。

ホルモン検査、膣内PHバランスなど

エストラジオール(E2)と卵胞刺激ホルモン(FSH)の値、膣内PH値などは、 病院や医療機関で行われる最もオーソドックスな閉経を調べる方法です。 完全ではないものの、検査した値が数値として現れ、 その数値を元に閉経しているか、そうでないかを調べることができます。
閉経時のエストラジオール(E2)、卵胞刺激ホルモン(FSH)、膣内PH値などの値については、 更年期障害チェック方法をご参照下さい。

血清AMH濃度を測る

AMHとは、卵胞から分泌されるホルモンで、不妊治療などで利用される指標です。 この血清AMH濃度を測ることで、卵巣内に残存する卵子の数や卵巣年齢を知ることができます。

この血清AMHに着目し、イラン大学で行われた研究によると、 血清AMH濃度を測定後、閉経の年齢を予測したところ、 予測した値と数年後に観測した結果は、許容可能な範囲であったと発表しています。

血清AMH 年齢
6.04ng/ml 27歳以下
6.15ng/ml 28~29歳
6.31ng/ml 30~31歳
5.42ng/ml 32~33歳
4.75ng/ml 34~35歳
3.82ng/ml 36~37歳
3.18ng/ml 38~39歳
2.44ng/ml 40~41歳
1.67ng/ml 42~43歳
1.31ng/ml 44~45歳
1.00ng/ml 46歳以上
参考:「結果の出せる不妊治療」

ペンシルバニア大学での研究によると、 平均年齢41.47歳、 血清AMHの中央値0.68ng/mlの女性401人を14年間調査したところ、 血清AMHの値は、閉経の年齢と強く相関していた、と発表しています。

現年齢 血清AMHの値 閉経予測年齢 備考
35歳~39歳 0.20ng/ml以下 9.94年後 一致率95%、ばらつきは3.31年~12.73年
35歳~39歳 1.50ng/ml以下 13.01年後
45歳~48歳 0.20ng/ml以下 5.99年後 一致率95%、ばらつきは4.2年~6.33年
45歳~48歳 1.50ng/ml以下 6.23年後

閉経に関するよくある質問

初潮の年齢と閉経の年齢は関係ない

初潮が早かったため閉経が早い、あるいは、初潮が遅かったため閉経が遅い、 といった通説が稀にありますが、医学的にはこれらの説は現在のところ否定されています。

経口避妊薬(ピル)で閉経を遅らせることは可能?

閉経とはある意味「卵子の枯渇」と言い換えることができます。 そのため、経口避妊薬(ピル)によって排卵を抑制し、閉経年齢を遅らせることができるのでは、 と考える場合がありますが、残念ながら経口避妊薬(ピル)によって閉経を遅らせることはできません。

閉経をお酒で遅らせることは可能?

お酒で閉経を遅らせることができます。
多くの研究において、 お酒を飲む女性は、閉経年齢が2年程度遅かった、といういくつかの報告があります。

ただし、これら研究での飲酒量は週5日、かつ、大量飲酒であることから、 閉経は遅れるものの、肝硬変の確率が大幅に上昇するため、 あまり良い方法とは言えません。

閉経前で生理が来るかがわからない

閉経前は1年間無月経期間が続きますが、上記「無月経期間と月経の再発確率」でご紹介したように、 稀に月経が再発します。
通常の生理周期であれば前もって準備できるものの、 生理がいつ来るか分からないため、生活や仕事に支障をきたすかもしれません。
これらがご心配の場合、 少し手間がかかるものの、 おりもの用シートやこまめなお手洗いでのチェック等で予防することができます。

閉経後の出血

閉経後の出血は大変危険です。
月経の再発である可能性もあるものの、子宮筋腫、ガンなどの病気が想定されるため、 すぐにでも病院に行く必要があります。
更年期障害においてすぐに病院にいくべき時については、 更年期外来を受診すべき時をご参照下さい。


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