中年太りは更年期が原因

中年太りは更年期が原因とは

中年太りは更年期が原因
中年太りは更年期が原因かもしれません。

更年期の「エストロゲンの分泌低下」と「更年期障害の症状による影響」は、 中年太りを促す原因となります。

特に、それまで太ったことがない、あるいは、生活に変化がないにも関わらず、 更年期になって太り始めた場合は、更年期そのものが原因かもしれません。

ここでは、更年期と中年太りの関係について、 原因、対策などについて、紹介しています。

更年期が中年太りになる原因

更年期に中年太りになるには、原因があり、国際的にも認められています。

摂食障害の国際ジャーナルが発表した内容によると、 オーストラリアの400名以上の40~60歳の女性(閉経前、閉経後を含む)にアンケートを実施したところ、 閉経前の女性で摂食障害に苦しむ女性はわずか2%程度でしたが、 閉経後の女性では、9%に大幅に上昇しました。

この結果は、以前の摂食障害の再発以外に、 更年期のホルモン変調、心理的な要因が原因と考えられ、 更年期の女性は他年齢に比べて太りやすいことが、実験で証明されています。

更年期に中年太りになる原因
  • エストロゲン分泌低下により、過食が進む
  • エストロゲン分泌低下により、代謝が低下する
  • 更年期障害の他の症状(不眠症)で過食が進む
  • 更年期障害の他の症状(イライラ、うつ)で過食が進む
  • 更年期障害の他の症状(不眠症)で代謝が悪くなる

エストロゲン分泌低下により、過食が進む

エストロゲンが過食症を抑制するという非常に多数の研究成果があります。

アメリカのロックフェラー大学で行われた研究によると、 エストロゲンはセロトニンに影響し、 エストロゲンの分泌が少ないと過食症を引き起こす一要因になると結論づけています。

また、アメリカのベイラー医科大学、インディアナ大学などの雌マウスを使った合同研究においても、 エストロゲンの分泌が高い場合、過食が抑制され、 エストロゲンの分泌が低い場合、過食がより頻繁になる、と発表しています。

また別の研究において、卵巣摘出(エストロゲンの分泌が少ない)を行われたマウスにおいて、 エストロゲンを注入されたマウスは、過食行動が著しく減少しました。

これは、更年期のエストロゲンの分泌低下が、過食行動を引き起こしやすいことを意味しているとともに、 不規則な月経周期を持っている女性は、過食症が高い傾向があることも意味しています。

更年期障害の不眠症で過食が進む、代謝が低下する

中年太りは更年期が原因
更年期障害の症状の1つが不眠症ですが、 不眠症は食欲を増加させ、代謝を低下させ中年太りの原因となります。

睡眠時間と肥満には高い相関関係があり、 睡眠が不足すると、食欲を増加するだけでなく、高カロリー食や炭水化物への要求が高まってしまいます。

ニューヨークの肥満研究センターの発表によると、 肥満の危険因子の1つが睡眠不足であり、 特に7時間未満の睡眠で、肥満との関係に顕著な傾向が見られるとしています。

また別の調査でも、1日の睡眠時間が7~9時間の人と、 6時間未満の人を比較すると、30%も肥満になる確率が高かったとしています。
なぜ不眠症で体重増加
なぜ不眠症で体重が増加するのか
  • レプチンが減少する
  • グレリンが増加する
  • インスリン作用が低下する
  • 甲状腺ホルモンの分泌量が低下する
  • コルチゾールが増加する
レプチンとグレリン
レプチンは体重増加、肥満抑制に貢献するするタンパク質(の一種)で、 脂肪細胞から作りだされます。

このレプチンには様々な役割があるものの、体重増加や肥満との関係において、 「食欲の抑制」と「エネルギー消費(代謝)の促進」を行います。 しかし、睡眠不足になると、このレプチン産出量を低下させ、 グレリンの分泌量を増加させてしまいます。

ある実験において、被験者は1日4時間睡眠を2日、 10時間睡眠を2日摂取したところ、 レプチンの分泌量が18%、グレリンの分泌量は28%増加しました。

また、被験者は高炭水化物食品(お菓子や塩辛い食べ物)を以前より45%好む傾向が見られました。
このことから、睡眠不足、特に7時間未満の睡眠は、
  • 食欲の増加
  • エネルギー代謝の減少
  • 高カロリー食の嗜好を高める
の3点において、体重増加、更年期の中年太りに影響を与えます。

インスリン、甲状腺ホルモン、コルチゾール
インスリンが正しく分泌されると、脳に対して食欲抑制効果が働きますが、 睡眠不足はこのインスリン作用を低下させてしまいます。

また、甲状腺ホルモンは「元気のみなもと」「エネルギー産出ホルモン」と称されるように、 甲状腺ホルモンが低下すると、やる気の喪失や活動量の減少、 ひどい場合には、甲状腺機能低下症という病気になりますが、 睡眠不足はこの甲状腺ホルモンを低下させ、イライラやストレスによって分泌されるコルチゾールの分泌を増加させます。

その結果、更年期障害による睡眠不足は体重の増加、中年太りを引き起こします。

シカゴ大学医療センターの研究によると、 11人の健康な男性を対象に、16連泊の実験において、 最初の3日は8時間睡眠、次の6日は4時間睡眠、最後の7日は12時間睡眠を与えたところ、 睡眠不足の期間において、インスリンに対する体の応答が40%低下し、 甲状腺ホルモンの低下、血中コルチゾールの増加が見られました。

更年期障害の他の症状(イライラ、うつ)で過食が進む

更年期障害の症状であるイライラや気分変調は「神経性過食症」という病気を引き起こします。

これは、不均衡なホルモンレベルに起因すると考えられ、 摂食障害と必然的気分のむらは深刻な問題であり、医療で治療すべきとされています。
国際心理学ジャーナル2008年の調査によると、 神経性過食症の原因は、ストレス、うつ病、人格、その他社会環境などであるとしており、 更年期障害の症状であるイライラやうつは、過食を引き起こし、中年太りの原因となります。

ホルモンバランスの乱れについては、 ホルモンバランスの乱れをご参照下さい。

更年期の中年太り解消方法

更年期の中年太りは、原因そのものに対処するとともに、 運動が効果があります。

特に更年期の運動は、単に代謝が良くなり脂肪を減らすだけでなく、 不眠症やうつ病など更年期障害、中年太りといった原因そのものに対して、 非常に効果が高い方法です。

不眠症とその治療法については不眠症解消方法一覧を、 また、更年期障害のイライラ・うつ病については、更年期うつ・イライラ原因と解消法をご参照下さい。

過食症による中年太りが更年期の原因になることも

拒食症や過食症といった摂食障害が、 ホルモンバランスを崩し、一時的な更年期障害を引き起こす可能性があります。

これら状態が継続すると、一過性でない、若年性更年期障害とも呼ばる永続的な閉経につながりるため、 十分な注意が必要です。
過食や拒食による閉経、および若年性更年期障害については、 若年性更年期障害をご参照下さい。

ただし拒食症、無理なダイエットは注意

エストロゲンは脂肪細胞によっても作られます。
そのため、更年期におけるある程度の体重増加は、 言い換えるとエストロゲンの分泌量の増加につながるため、 更年期障害の様々な症状を緩和してくれる働きがある、と言えます。

その他、脂肪細胞以外のエストロゲンの増やし方については、 エストロゲンを増やす方法をご参照下さい。


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