閉経を早める要因

閉経を早める要因

閉経を早める要因
閉経年齢を早める要因は、タバコなどの生活習慣による弊害、 子宮がんや卵巣がんなどによる外科的閉経の副作用、 卵管結紮(らんかんけっさく)などの意図的な不妊手術などです。

生理の煩わしさから少しでも早く開放されたいため、少しでも早く閉経したいと望む女性がいる一方、 妊娠の可能性や更年期の発症を少しでも遅らせるため、閉経を早める原因を少しでも避けたい女性もいます。

ここでは、閉経を早める要因、閉経を早めることに対するリスクについて、紹介しています。

閉経が早まるリスク・副作用

日本人の平均閉経年齢は50~51歳ですが、 早期閉経には、将来のリスクや副作用が伴います。

アラバマ大学で行われた調査によると、 早期に閉経するほど、将来の冠状動脈性心臓病や脳卒中のリスクが高いと発表しています。
また、シカゴのラッシュ大学医療センターによると、 外科的閉経は、物忘れ、認知機能低下などに影響を与えると発表しています。

特に40歳未満の若年性更年期障害は、 同じ更年期障害の症状であっても、 「症状が重い」、「発症期間が長い」、「発症頻度が高い」などの特徴があり、 閉経が早まることは、自然閉経と比較すると、それだけ多くのリスクや副作用を伴います。

若年性更年期障害については、 若年性更年期障害の原因と治療をご参照下さい。

閉経を早める要因

閉経を早める要因
■病気、薬の副作用
  • 外科的閉経
  • 抗ガン剤治療
  • 早発卵巣不全(POF)
  • 感染症、自己免疫疾患
  • 先天性疾患・遺伝
  • てんかん
  • 酵素、代謝異常
  • 不均衡多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)
  • 高プロラクチン血症
  • 脳腫瘍
  • 重症頭部外傷
  • 腎臓病
  • 肝硬変
  • 薬の副作用
■意図した手術
  • 卵管結紮(らんかんけっさく)
■生活習慣
  • ストレス
  • 内分泌かく乱化学物質
  • 喫煙
  • 食生活、肥満
  • 運動不足
■その他
  • 遺伝

「病気、薬の副作用」、「意図した手術」、「その他」については、 若年性更年期障害の原因と治療で紹介していますので、 閉経を早める要因のうち、「生活習慣」について、以下で紹介しています。

ストレス

閉経を早める要因 ストレス
ストレスは閉経年齢を早めます。

ベルサイユ大学が1,500人以上の50代の女性を調査したところ、 特にストレスレベルが高い職場や、週に48時間以上働く(時間によるストレス)場合、閉経が早まる可能性を示唆しています。

また、ハーバードメディカルスクールによると、 女性の心理的ストレスは生殖能力の老化をもたらすと発表しています。

この研究では、心理的ストレスと胞状卵胞数の損失について、 25歳~45歳(平均35.2歳)の979名の女性について調査したところ、 ストレスのレベルを「低、中、高」に分けた場合、 平均卵胞損失は、「低ストレス群:-0.781包/年」、「中ストレス群:-0.842包/年」、「高ストレス群:-0.994包/年」と、ストレスレベルが高いほど、生殖機能の老化を加速させ、閉経を早めるという結果が出ました。

低ストレス群 -0.781包
中ストレス群 -0.842包
高ストレス群 -0.994包

内分泌かく乱物質

閉経を早める要因 内分泌かく乱物質
内分泌かく乱物質の中には、閉経を早める原因となるものがあります。

ワシントン大学が行った調査によると、 化粧品、加工食品、プラスチックなどに含まれるフタル酸エステル類は、閉経年齢をおおよそ2年早めるとしています。
また、アントラセン、ベンゾピレンなど多環芳香族炭化水素(防腐剤利用や食品混入)は、 卵母細胞を破壊する性質を持っており、閉経年齢を早めます。

その他、内分泌かく乱物質については、 ホルモンバランスの乱れをご参照下さい。

喫煙

閉経を早める要因 喫煙
タバコに含まれる炭化水素は卵巣における卵子を殺します。

ほとんどの研究において、 喫煙者は閉経の年齢を1~3年早めることが示されています。

コロンビア大学が494名の女性を調査したところ、 「一日14本以上喫煙する人は、2.8年閉経が早くなっていた」と発表し、 ペンシルバニア大学で行われた研究では、 ヘビースモーカーの場合、最大9年、閉経を早めたと発表しています。

また、この喫煙は本人の喫煙だけでなく、 受動喫煙や母体の喫煙も、閉経までの時間を早める要因となるため、ご注意下さい。

食生活や肥満

閉経を早める要因 食生活や肥満
食生活によっては、閉経を早める要因となります。
若い女性における卵胞の減少と、 心血管疾患のリスク(例.LDLコレステロールの上昇、動脈硬化、高コレステロール、高血圧、太り過ぎ)は、 関係していることが分かっています。

これは、卵巣に血管が密集しているため、 血液供給量の減少が卵胞枯渇の速度に影響を与え、閉経速度を早める要因と考えれているためです。

フォレスト大学医学部によるカニクイザル(猿)を使った実験において、 飽和脂肪酸、コレステロール、大豆などの食事と、卵胞の関係を調査したところ、 乳タンパク質(カゼインラクトアルブミン給餌サル)は、 大豆などの食事と比較して、 より少ない卵胞しかありませんでした。

これは、タンパク質だけでなく、血流を悪化させる塩分、悪玉コレステロール、砂糖などが、 閉経年齢を早める可能性を示しています。

運動不足

閉経を早める要因 運動不足
血液供給量の減少が卵胞枯渇の速度に影響を与え、 閉経速度を早める要因と考えれることから、 上記で挙げた食事以外に、 運動不足なども血流を悪化させ、閉経速度を早める原因となります。

その他、血流悪化の原因については、 血流悪化の原因と疲労をご参照下さい。


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